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犬も人間同様、老化が進むと少しずつ食欲が落ちてきます。「最近フードをよく残すなぁ」と思ってるなら、それは老化が原因かもしれません。
大型犬は7歳、小型犬だと8歳ごろから少しずつ食べ残し出てくるようになり、下記のような不安を感じることが多いです。
- 老犬がご飯を食べないのは老化が原因?それとも病気かな?
- 老犬がご飯を食べないときはどうやって食べさせればいいの?
- もしかして余命が近いの…?
- 無理にでも食べさせたほうが良いのかな?
愛犬と少しでも長く過ごすために「栄養補給ができる方法ってないのかな?」と考えたりするでしょう。
そこで、この記事では老犬がご飯を食べない理由とその見分け方を中心に、8つの対処方法や気になる余命などについてまとめてみました。
この情報が1つでもお役に立てばうれしいです。
老犬がご飯を食べない!2つの理由と見分け方
- 老化が原因でご飯を食べなくなった
- 病気が原因でご飯を食べなくなった
老犬がご飯を食べない主な原因は主に「老化」と「病気」の2つです。
どちらで食欲が落ちているのか、それぞれの見分け方と一緒に詳しい理由を見ていきましょう!
老犬がご飯を食べない理由と見分け方①:老化
理由 | 見分け方 |
食欲が落ちた | 食欲が落ちた以外は普段と変わりない |
代謝が落ちた | |
嗅覚や味覚が変わった |
老犬がご飯を食べない理由の1つ目が「老化」で、主に上記3つの理由が原因と考えられます。
老化によって食欲や代謝が落ちたことで食べる量が減ったり、嗅覚や味覚が変わり好みが変化することでご飯を食べたがらなくなることもあるのです。
老化が原因の場合「食欲のほかに大きな変化が見られない」ことが見極めポイントになります。
下痢・口臭が強いなどほかの症状がなく、普段通り過ごせていて食欲はありそう。だけど食べる量が減ってしまった。
そんな場合は、老化が原因で食欲が落ちていることが考えられます。
老犬がご飯を食べない理由と見分け方②:病気
理由 | 見分け方 |
腎臓や心臓などの病気 | 食欲が落ちた以外に症状がある |
口周りの病気 | |
首や足腰の筋力低下 | |
感覚器の老化 | |
環境による影響 |
老犬がご飯を食べない理由の2つ目が「病気」の可能性です。
老犬になると「腎臓疾患」「心臓疾患」「口内トラブル」など、様々な病気のリスクがあがります。
老化によって顎や首、足腰の筋力が低下することでフードが食べ辛くなったり、食べる姿勢を維持することが難しくなることも少なくありません。
また、視覚・嗅覚が衰えて食べ物を認識し辛くなったり、気圧の変化に影響されやすくなり悪天候の日は体調が優れなくなることもあります。
- ・元気があるか
- ・下痢・嘔吐があるか
- ・どこかが痛そうな様子でないか
- ・鼻水やくしゃみ・鼻水はないか
- ・歯石が増えていたり歯肉炎はないか
- ・そのほかいつもと違う様子はないか
上記のとおり食欲低下以外にも気になる症状が現れた場合は、病気や体調が優れないことも考えられますので早急に動物病院へ受診して下さい。
次に、老犬がご飯を食べないときの8つの対策方法を見ていきましょう。
【老犬がご飯を食べない!】8つの対策方法!
- フードを温めて香りを出す
- トッピングを混ぜる
- フードをふやかす
- 半生・ウェットタイプのフードに変更
- 手作りフードに変更する
- 食器を楽な高さに調節したりシリンジを使う
- 軽い運動や気分転換をする
- おやつなど好きなものを与える
老犬にご飯を食べさせたいときは、上記8つの対策方法を試してみることをおすすめします。
それぞれ詳しく説明していきますので、ぜひチェックしてみてください!
その①:フードを温めて香りを出す
ドッグフードは温めると香りが強くなります。
そのため、嗅覚・味覚が衰えてきている老犬の食欲を刺激しやすくなり、食べてくれることがあります。
温め方は、フライパンで炒めると香りや食感が良くなるのでおすすめの方法です。また、電子レンジでチンして与えても問題ありませんので試してみて下さい。
その②:トッピングを混ぜる
老犬の嗅覚を刺激するのに効果的なのが、トッピングを加えることです。
中でも「チーズ」「かつおぶし」「ジャーキー」などは香りが強く、犬の食欲をそそりやすい食べ物です。
トッピングを加える場合、肥満を防ぐためにもドッグフードの量をいつもより8割程度に減らして食材の量には注意しながら与えましょう。
また、人間用の鰹節をお茶パックに入れてドッグフードの袋の中に入れておくと、香りがついて食べてくれることがあります。
この方法だとカロリー超過の心配もないので、ぜひ一度試してみてください!
その③:フードをふやかす
- 柔らかくなるため食べやすい
- 消化しやすく吸収スピードも速くなる
- 水分補給になる
ドッグフードをふやかすことで、ドライフードが柔らかくなります。
食べやすくなるだけではなく、ドッグフードを消化しやすくなり吸収スピードが早くなるため消化器にかかる負担を減らす効果が期待できます。
老犬であごの力が弱くなっている場合や歯がもろくなっている場合、消化器官能力が低下している場合はドッグフードをふやかして与えてみましょう。
熱を加える事によって香りも出るので、嗅覚を刺激する効果もあります。
また、ドッグフードに含まれる水分量は通常10%以下ですが、お湯でふやかすことで水分量が増えるため効率よく水分補給をすることもできるのもメリットです。
ふやかし方は30〜40℃のぬるま湯をドッグフードがひたひたになるまで注いで、15分前後時間を置いて下さい。
時間を置く時にラップをして置いておくと、早くふやけるので急いでいるときはおすすめの方法です!
その④:半生・ウェットタイプのフードに変更する
ドライフードを与えている場合、半生・ウェットタイプのフードに変更してみましょう。
老犬の場合、歯が弱くなっていたり口の中の乾燥が進んで食べ辛くなっている可能性が高いです。
水分量の多い半生・ウェットタイプは食べやすいだけではなく香りが強いものも多いため、食いつきがよくなることもあります。
その⑤:手作りフードに変更する
老犬のご飯を手作りフードにすることで、食欲が回復する場合があります。
犬は老化によって急に好き嫌いが激しくなることも珍しくはありませんが、そんなときは手作りフードに変更することも検討してみましょう。
ただし、手作り食は栄養配分も難しいため慣れるまでは栄養バランスが崩れてしまうこともあります。
とくに、ビタミンやミネラル、タンパク質、カルシウムなどの栄養素は多く接種してしまうと体調不良になる可能性もあります。
これらの点に気をつけながら、はじめはドッグフードに少量混ぜる程度から始めることをおすすめします。
その⑥:食器を楽な高さに調節したりシリンジを使う
老犬が休憩しながらご飯を食べていたりよくむせている場合は、食器を楽な高さに調節したりシリンジを使って与えてみて下さい。
老犬になると足腰が弱くなり、だんたん同じ体勢を長く維持することが難しくなります。
食器台などで首をあまりさげなくても食べられるほどの高さに調節して与えると、愛犬も楽にご飯を食べられます。
また、食べている時によくむせている場合は嚥下力が下がってしまっている可能性があります。
ドッグフードを柔らかくして、シリンジを使って口の中に流し込んであげる方法もおすすめです。
その⑦:軽い運動や気分転換をする
軽い運動や外の空気を吸うなど、気分転換をしてみましょう。
老犬になると運動量が減り、ストレスや筋力低下でご飯を食べないケースがあります。
家の前をウロウロする程度のお散歩をしたり、飼い主さんが抱っこをして外の空気を吸わせるだけでも空腹感が生まれ食欲がわくことがあります。
獣医師から運動をしないように言われている場合、許可は必要になりますが抱っこして外の空気を吸わせたりマッサージをしてリラックスさせるだけでもやってみて下さい!
その8:おやつなど好きなものを与える
ご飯は食べなくても、おやつや好きなものは食べるケースがあります。ご飯を全く食べない場合は、愛犬の好みのものを与えてみて下さい。
犬は甘みを感じやすいと言われています。味覚を刺激するために、さつまいもやバナナなどはおすすめの食材で喜んで食べてくれることがあります。
しかし、与え過ぎは肥満の原因になるので注意です!フードに混ぜたり、少量を与えることがベストです。
また「老犬がご飯は食べないのにおやつは食べる」という悩みがある場合は、以下を参考に対策してみて下さい!
老犬がご飯を食べないのにおやつは食べる…対策方法はコレ!
- ほかに症状がないかをチェックする
- ご飯の状態をチェックする
- 最近ご飯を変えていないかチェックする
老犬がご飯を食べないのにおやつは食べる場合は、まず食欲低下のほかに症状がないかチェックしてみましょう。
ここで問題がなければ、ご飯の状態や変更の有無をチェックします。最近ご飯を変えていないかどうかも同時にチェックしてくださいね!
では、それぞれの対策方法を具体的に説明していきますので、見ていきましょう。
対策①:ほかに症状がないかをチェックする
老犬がご飯は食べないのにおやつを食べる場合、まずはほかに症状がないかをチェックしてください。
チェックする内容は【老犬がご飯を食べない理由と見分け方②:病気】で紹介した【ほかの症状でチェックすべきポイント】をみながら進めましょう。
ここで、もし気になる症状がある場合は必ず動物病院へ相談して下さい。ほかに症状がないのであれば、次のチェックに進みましょう!
対策②:ご飯の状態をチェックする
- 袋を開封したのはいつ?
- 匂いや色は変わっていない?
まずご飯の状態をチェックするために「開封したのはいつか」「匂い・色などが変わっていないか」を確認して下さい。
ドッグフードは袋を開封してから時間が経つと酸化します。すると栄養素はどんどん失われ風味もなくなり味は落ちます。
嗅覚が衰えている老犬にとって、風味がなくなったフードは食欲をそそられないでしょう。
衛生的にも問題があるので、もしも開封から1ヶ月以上経っている場合や匂いがキツくなっていたり色が変わっている場合は与えないようにして下さい。
また、開封後はできるだけ空気に触れないように保管して、1か月以内に食べられるようなサイズを選んで購入しましょう。
もし1ヶ月で全て使い切れない場合は、真空容器や乾燥剤などを使って保存しておくことをおすすめします。
対策③:最近ご飯を変えていないかチェック!
次に、最近ご飯を変えていないかチェックしてみて下さい。
最近ご飯を変えた場合は、一旦元のご飯に戻してみましょう。ここで食べるようであれば、フードの切り替えを徐々にしていくようにすると良いですよ。
フードの切り替え方は、1日目は元のご飯に変更するフードを1割程度入れます。
2日目は2割程度、3日目は3割程度と1週間~10日ほどかけて切り替えるようにして下さい。
それでも新しいフードを避けて食べたり、割合が多くなる頃に食べなくなる場合はトッピングをしたり工夫して与えるようにしてみましょう。
それでは次に、老犬はご飯を何日食べないと危険なのかについて説明していきます。
老犬はご飯を何日食べないと危険?
嘔吐や下痢など、食欲のほかに症状がない場合は2~3日様子を見ていても大丈夫でしょう。
しかし、老犬の場合急変しやすいため、この期間内であっても異常が感じた場合は早急に動物病院へ受診するようにして下さい。
3日以上食べない場合は、ほかの症状が無くても念のため動物病院へ受診することをおすすめします。
それでは、老犬がご飯を食べないときの重症度をチェックしていきましょう!
老犬がご飯を食べないときの重症度チェック!
どんな様子か | 重症度 |
食べる量が減っているだけでほかに症状が無い (一口目の食いつきは良い) | 軽症 |
食べる量が減っていて気になる症状が1つでもある | 中症~重度 |
急に食べなくなった | 重度 |
老犬がご飯を食べないときの重症度を表にしてみました。
病院へ行くタイミングを迷っている場合は、上記3つのポイントで重症度をチェックしてみて下さい。
中症~重度に当てはまる場合は、体調不良を起こしていたり病気の可能性もあるので早急に動物病院へ受診するようにしましょう。
もちろん、軽症の場合でも一度動物病院へ相談することをおすすめします。
それでは、それぞれの重症度について詳しく説明していきます。愛犬がどれくらいの重症度なのかをチェックしてみて下さい!
食べる量が減っているだけでほかに症状が無い
食べる量は減っているけど一口目の食いつき自体には大きな問題がない場合、老化が原因で食欲が落ちていることが考えられます。
年齢を重ねると運動量も減り、自然に食欲も無くなってきます。
特にほかの症状がない場合は、ここで紹介している8つの対策方法を試して様子を見るのも選択肢の一つです。
ただし、少しでも体調の変化がある場合はすぐに動物病院へ相談するようにしましょう。
食べる量が減っていて気になる症状が1つでもある
一口目から食いつきが悪く食べる量が減っている場合で、いつもと違う様子であれば体調が悪い可能性が考えられます。
なんらかの病気が隠れている可能性もあるため、早急に動物病院へ受診するようにしましょう。
急に食べなくなった
老犬がご飯を急に食べなくなった場合、重い病気が隠れている可能性があるので早急に動物病院へ連れていきましょう。
基本的に犬はある程度の痛みや体調不良は、隠す傾向にあります。
それを隠しきれず食事に影響が出るほどであれば、それほど重い体調不良が隠れていることが考えられます。
このとおり、病気の可能性ももちろん考えられますが、もともと食べムラがあり丸一日食べないことも珍しくない犬もいますよね。
その場合は「ご飯を食べないほかに症状が無い場合に限り」全く食べなくても、1日様子を見ていて大丈夫でしょう。
では次に「老犬がご飯を食べなくなると余命が近い」という噂は本当かどうかについて説明していきます。
「老犬がご飯を食べなくなると余命が近い」は本当?
「老犬が全くご飯を食べなくなると余命が近い」とよく言われていますが、これは本当です。
ですが、食べなくなったからと言って必ずしも余命が近いとは言い切れません。
その時の状況などによって余命が近いかどうかが判断されますので、獣医師に相談する必要があります。
これまでは試行錯誤してなんとか食べてくれていたけど、どうしても食べてくれない時期がやってきます。
ご飯を全く食べなくなってからの余命は数日(1週間前後)と言われています。
もしかすると点滴などで回復する状態かもしれませんので、まずは動物病院へ相談するようにしてください。
私も愛犬を亡くした経験があります。
食事をほとんど食べなくなったことを相談すると「もう余命が近いですね。点滴で処置をすることもできますがそれも長くは持ちません」と言われました。
そこで家族と相談して、点滴はせず最期の時間を自宅で過ごさせる選択をしました。今となっても、これが正解だったかどうかはわかりません。
それから、せめて亡くなるまでの数日間で美味しいものを口に入れてあげたいと思い、ケーキやプリンなど犬が好む甘いものを与えていました。
家族団らんを意識した一つの選択肢として参考になればいいなと思います。
【動物看護師が回答】ご飯を食べない老犬に関するQ&A
ここからは、老犬がご飯を食べない時によくある疑問に動物看護師が回答していきます。
老犬になると体力が低下して、寝て過ごす時間が長くなるのは自然なことです。必要な栄養さえ取れているのであれば、食べる量が減ったとしても大きな問題にはなりません。
しかし、それでは栄養不足になる可能性もあるので、栄養素に配慮されている老犬用のフードへ切り替えるようにしましょう。
また、寝てばかりで元気が無かったり震えているなどの場合は、不調を訴えている可能性も考えられます。
そのほかにも異常が見られないかチェックして、できるだけ早く動物病院へ連れていきましょう。
老犬がご飯も食べないうえに、水を飲まなくなった場合は治療が必要になります。
点滴をして身体の水分量を補うことで食欲が自然に戻ることもありますが、余命が近づいていることも考えられます。
いずれにしても老犬がご飯を食べず水も飲まなくなったときは、かかりつけの動物病院へ相談するようにしましょう。
老犬がご飯を食べないときのまとめ
- 老犬がご飯を食べない理由は、老化か病気が原因
- 「ほかの症状の有無」をチェックして老化か病気どちらかを見分けよう
- 老犬がご飯を食べない場合は8つの対策方法を試してみる
- 老犬がご飯を全く食べなくなったら余命が近い可能性も考えられる
- ご飯を食べないのにおやつは食べる場合はまず、ほかに症状がないかチェックする
- 老犬がご飯を急に食べなくなった場合、病気の可能性も考えられる
老犬がご飯を食べない場合、老化に伴う自然現象なこともありますが病気の可能性も考えられます。
食欲のほかにも気になる症状があったり、急に食べなくなった場合は要注意です。
老犬は身体も弱くなっていて病気の進行も早いため、気になる症状があれば早急に動物病院へ受診してください。
もちろん食欲がないほかに症状がなかったとしても、病院へ行くと安心できるので一度相談することをおすすめします。
なかなかご飯を食べてくれないときは、できるだけ食べやすいように工夫してあげましょう。
飼い主さんが少しでも長く愛犬と過ごすために、この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです!
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