老犬がご飯食べない・・・余命が近い?ご飯を食べない理由と5つの工夫

  • ご飯を食べないけど、どこか調子が悪いの?
  • ご飯を食べないから体力が落ちてしまっていて心配
  • ご飯の食べさせ方を知りたい。
  • まさか、余命…?

老犬がご飯を食べないと、上記のような心配事が出てきませんか?

犬は老化に伴いご飯の食べる量が自然と少なくなってきます。これまでは完食していたのになぜ?と思いますが「食べ残し」が少しずつ増えてきます。

元気な証である食欲が無くなり、ご飯を食べなくなると「もう余命が近いのでは…?」と不安になりますよね。

ここでは「老犬がご飯を食べないときの余命」「症状別の余命」を中心に「老犬や寝たきりの犬にご飯を食べてもらう方法」などご紹介しています。

心の準備をするためにも、一緒にチェックしていきましょう。

老犬がご飯を食べない=余命とは限らない

老犬がご飯を食べなくなると余命が近いという話を聞いたことがあるかもしれませんが、必ずしも余命が近いとは限りません。

余命が近い場合

ご飯を食べない+水も飲まない+ぐったりしている

余命が近づいてご飯を食べない場合は「水も飲まない」「ぐったりしている」など他の症状も同時に現れます。

また、老犬になると運動量も減り代謝も落ちるので、単純におなかが減っていなくて食べない可能性も考えられます。

点滴で体の水分を補うことで食欲が戻る可能性もありますので、ご飯を食べなくなった時点で早めに動物病院へ受診することをおすすめします。

それでは、老犬がご飯を食べなくなる理由について見ていきましょう。余命についても以下にて詳しく説明していますので、ぜひチェックしてください!

老犬がご飯を食べなくなる理由

老犬がご飯を食べなくなる理由の多くは「老化により代謝が落ちること」や「運動不足などで食欲が落ちること」が挙げられます。

  1. 老化で代謝・運動量が減る
  2. 食欲が落ちる
  3. 嗜好の変化・こだわりが強くなる
  4. 病気の可能性がある
  5. 余命が近づいている

上記の他にも嗜好の変化やこだわりが強くなったこと、余命が近づいているサインなど様々な理由があります。

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

① 老化によって代謝・運動量が減る

老犬になると基礎代謝が落ち、足腰や関節などが弱くなり運動量も低下するのが一般的です。これは、加齢による食欲の減退と考えられます。

そのためカロリー消費量が少なくなり、おなかが空きにくくなるのです。

成犬の頃のようにたくさんご飯を食べられなくなるため、少ない量での栄養摂取を考えなくてはいけないのがこの時期です。

限られた量の食事で十分な栄養を摂取できる食事を工夫してあげましょう。

手作りにこだわる必要はありませんが、できるだけ高齢犬に寄り添ったドッグフードを選ぶようにしてあげましょう。

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② 食欲が落ちる

老犬になると、食欲自体が落ちることは珍しくありません。

これは胃や腸などの消化機能が落ちてしまっていたり、肝臓や腎臓などの機能の衰えなどが原因だと考えられます。

また、嗅覚・味覚の機能が低下していたり、ストレスなども食欲が落ちる原因の一つです。

基本的には無理なく食べられる量を与えれば問題ないのですが、もし体重が減っている場合は食べてもらえるような工夫をしましょう。

③ 嗜好の変化・こだわりが強くなる

老犬になると嗜好の変化やこだわりが強くなる子もいます。

老化に伴って嗅覚や味覚が低下していることや、体調の変化で食べたいモノが変わってしまうこともよくあります。

思考の変化やこだわりが強くなることで食べなくなった場合は、フードを変更したりトッピングをするなどの工夫をしてみましょう。

→ どんなトッピングがあるかを見る

④ 病気の可能性がある

  • 全身状態が悪化する
  • 消化器疾患
  • 口腔内疾患

老犬がご飯を食べなくなる理由は「病気」の可能性も考えられます。食欲低下以外にも他の症状が見られる場合は、早急に動物病院へ相談しましょう。

中でも腫瘍や内臓などが原因で食欲が落ちている場合は、早期治療が求められますので普段から愛犬をよく観察しておくのがベストです。

また、歳を重ねるにつれて消化機能も低下していて、消化不良を起こし食欲が落ちていることも考えられます。

さらに、口腔内疾患では犬に多い病気「歯肉炎」や「歯周病」によって口内に痛みが生じ、食欲が落ちることも原因の1つ

老犬がご飯を食べないときは、他に症状がないかしっかり様子を伺っておく必要があるでしょう。

⑤ 余命が近付いている

  • 急にご飯を食べなくなった
  • 水しか飲まなくなった
  • 水も飲まなくなった
  • 食べずにぐったりしている
  • 繰り返し鳴く
  • 反応が鈍くなる
  • 震える・痙攣
  • 呼吸が荒い

老犬の余命が近づいている場合、単にご飯をたべなくなっただけではなく上記のような症状が現れます。

「急にご飯を食べなくなった」「水しか飲まなくなった」「水さえも飲まなくなった」場合は要注意です。

さらに繰り返し鳴いたり呼吸が荒くなっているなどの症状が現れている場合、最期のときが近くなっていることが考えられます。

犬の状態や病気などによって最期の症状は様々です。ここで挙げている余命の兆候以外にもあり、一概に決めつけることはできません。

もし、最期の症状が現れた場合は、まず動物病院へ「電話」で相談するようにしましょう。

移動することすらも負担になる可能性があるので、受診するかどうかは電話で獣医さんと慎重に判断してください

では、次に老犬の余命を症状別で、大体どれくらいになるのかを見ていきましょう。

【症状別】老犬にこんな症状が…余命はどれくらい?

老犬が急にご飯を食べなくなったり水を飲まなくなった場合など、症状別で余命がどれくらいかおおよそ予測をすることができます。

  • 急に何も食べなくなったときの余命
  • ご飯も食べず水も飲まなくなったときの余命
  • ガリガリに痩せたときの余命
  • 下痢が続いているときの余命
  • 寝たきりになったときの余命
  • 痙攣を起こしたときの余命

※ここで紹介する内容は、あくまで目安で余命を確定するものではありません。

上記6つの症状の余命について、以下にて説明していきます。心の準備をするためにもぜひ参考にしてください。

老犬が急に何も食べなくなったときの余命

老犬が急に何も食べなくなったときの余命は、その子の状態にもよりますが1週間〜1ヶ月半と考えておくと良いでしょう。

私がペットサロンで働いていた時の常連さんの老犬は、何も食べなくなってから点滴の処置などで食欲が持ち直し、約2ヶ月も生きてくれたそうですよ。

急に何も食べなくなった場合、危険な状態ではありますがその他の症状がない場合は持ち直してくれることもあるようです。

しかし、すぐに亡くなってしまうケースも少なくはありません。急に何も食べなくなり、水も飲まなくなった場合は覚悟をしておきましょう。

いずれにしても、動物病院へ相談するようにしてください。

老犬がご飯も食べず水も飲まなくなったときの余命

老犬が飲まず食わずになってしまった場合の余命は、1~3日程度と考えておくと良いでしょう。

犬の体内の水分は60~70%とされています。そのうちの10%程度を失うと、脱水症状を起こしてショック状態で死に至る危険性があります。

ご飯も食べず水も飲まなくなった場合は、危険な状態と言えるので必ず動物病院へ相談するようにしましょう。

老犬がガリガリに痩せたときの余命

老犬がガリガリに痩せたからと言って、必ずしも余命があと少しだとは限らないです。

老化が進むと、食が細くなります。当然体重も減りガリガリになってしまうのは仕方のないことで、無理に太らせようとする必要はありません。

しかし「ガリガリに痩せる」かつ「ご飯も水も飲まない状態」になってしまえば、余命は数日程度だと考えておくと良いでしょう。

老犬の下痢が続いているときの余命

老犬の下痢が続いている場合の余命は、2日〜1週間程度と考えておくといいでしょう。

老犬は老化に伴い消化や吸収能力が衰えてくるので、少しの刺激で下痢を起こすことはよくあることです。

しかし、下痢が収まらず続いていたり嘔吐や下血が伴う場合は危険な状態なので、すぐに動物病院へ連絡するようにしましょう。

老犬が寝たきりになったときの余命

老犬が寝たきりになったからと言って、必ずしも余命が近いとは限りません。

介護を受けながら数年生きることもあれば、数ヶ月・数日で亡くなってしまう場合もあります。

とくに、寝たきり状態になって呼びかけにも反応しないほど意識がもうろうとしている場合は要注意です。

危険な状態である可能性が高いので、すぐに動物病院へ相談しましょう。

老犬が痙攣を起こしたときの余命

最期の兆候で痙攣を起こす子はよく見られます。余命による痙攣であれば当日から数日でお別れの時がくると考えておくといいでしょう。

とくに、体力がかなり低下している状態で痙攣が見られる場合は、覚悟しておく必要があります。

痙攣中は意識がないと言われています。

苦しそうに見えますが苦痛を感じることは無いので、飼い主さんはそばで優しく声をかけて寄り添っていてあげてくださいね。

老犬がご飯を食べないときの5つの工夫

老犬がご飯を食べないときに効果的な食事の工夫が上記の5つです。

フードを温めたりふやかしたりと、いつものご飯に少しの工夫を加えることで食欲が戻ったり食べてくれることがありますのでぜひ試してみて下さい!

  • ドッグフードを温める
  • ドッグフードをふやかす
  • ドッグフードの変更
  • トッピングをする
  • 水分はしっかりと与える

では、それぞれの工夫について詳しく説明しているのでチェックしていきましょう。

ドッグフードを温める

ドッグフードを温めることで香りが強くなり食感も良くなります。

老犬は嗅覚や味覚が衰えてしまうため、香りが強くなることで食欲が戻り食べてくれることもあります。

ドライや半生タイプの場合は、フライパンで炒るか電子レンジで温める、ウェットタイプの場合は、缶のまま湯煎する方法がおすすめです。

温める温度は人肌程度になるまでに留めておきましょう。それ以上熱を加えると栄養が壊れてしまうおそれがあるので、気をつけてくださいね。

ただし缶は温めると爆発する恐れもあるので、蓋を少し開けてから湯煎するようにして火傷には注意しましょう。

ドッグフードをふやかす

ドッグフードをふやかすことによって、香りが強くなるだけではなく食べやすくなります。水分を一緒に取ることもできるので、水分補給にも有効的ですよ。

ドッグフードのふやかし方は、40度前後のぬるま湯にフードが浸かるくらいまで注いでラップをし5~15分ほど待ちましょう。

すると、指で簡単に潰れるくらい柔らかくなります。

ペースト状のほうが食べやすそうな場合は30分ほど待って、なめらかになるまで潰してから与えるようにしましょう。

ドッグフードの変更

思い切ってドッグフードを変更してみるのも良いでしょう。

例えば、これまでドライフードを与えていた場合は半生タイプやウェットタイプに変更したり、手作りごはんに変更するなどです。

今まで通りのフードと手作りごはんを半々にして与えるだけでも効果が期待できますよ。

ドッグフードを変更する際は、少しずつ進めなければおなかを壊してしまう恐れがあるので注意が必要です。

1日目は元のドッグフードに1割混ぜて、2日目は2割、3日目は3割と徐々に新しいドッグフードの割合を増やしていきましょう。

トッピング

手作り食のトッピングや、市販されているトッピングなどを混ぜて与えることで食いつきが良くなることがあります。

トッピングだけしか食べないということもあるかもしれませんが、食べてくれるだけでも大成功です。

色々な種類のトッピングを試して、どれがフードと一緒に一番食べてくれるのかを根気強く試してみることをおすすめします。

→ おすすめのトッピングを見る

水分はしっかりと与える

ご飯をどうしても食べてくれない時期はいずれやってきますが、水分はしっかりと与える必要があります。

脱水症状は、数日で死に至ってしまう怖い症状で要注意です。

全くご飯を食べなくなってからの余命は短いですが、脱水症状に陥るとそれよりも早く亡くなってしまうこともあります。

スポイトなどで水分補給をしたり、どうしても難しい場合は動物病院へ相談するようにしましょう。

それでは、寝たきりの老犬にご飯を与える方法についてご紹介いたします。

寝たきりの老犬にご飯を与える3つの方法

  1. 食材は柔らかくする
  2. スプーンやシリンジで与える
  3. 誤嚥に注意

寝たきりの老犬にご飯を与える際は食材を柔らかくしたり、スプーンやシリンジで与えてみましょう。

また、与える際には誤嚥に注意しながら与えなければいけません。では、それぞれ詳しく説明していきますので、見ていきましょう!

食材は柔らかくする

食材は柔らかくして与えると、食べやすくなります。

手作りの場合は柔らかくなるまで煮込んだり蒸して、ミキサーにかけてペースト状にすると犬は飲み込みやすくなります。

ドッグフードの場合はふやかして与えるようにしましょう。ペースト状にする場合は、30分くらい置くとドロドロになってくれます。 

フードの種類によってふやけ具合が違うので初めのうちはどれくらい置くとふやけてくれるのか実験しながら進めましょう。

とくに半生タイプのフードはふやけにくいので、種類によっては長い時間置く必要があるかもしれません。

あまりにもふやけない場合は、ミキサーで細かくしてからふやかすのがおすすめです。

スプーンやシリンジで与える

ご飯が入ったお皿を口元に近づけても自力で食べられない子の場合は、スプーンやシリンジで与えます。

使用するスプーンはプラスチックの場合割れやすく危ないので、木製などの割れない素材のものを選ぶようにしましょう。

与えるときは少しずつ口の奥の方に入れると犬は飲み込みやすいです。ちょっとしたコツですが、口の横(犬歯あたり)から差し込むと入れやすいです。

また、シリンジの代わりに小型犬~中型犬は「油差し」大型犬は「ドレッシングボトル」を使うと、流動食のようにして食べさせることができます。

それぞれ100円均一などで入手できるのでおすすめの方法です。

誤嚥に注意

寝たきりの老犬にご飯を与える際は「誤嚥」に注意しなければいけません。

誤嚥が原因の誤嚥性肺炎になると命にかかわることもあるので、気をつけながら与えるようにしましょう。

食事のときはできるだけ上半身を起こして、食道から胃がまっすぐになるように座らせて下さい。

座らせるのが難しい場合は、寝たままできるだけ上体を起こして頭を上げるように意識して食べさせましょう。

その時の注意点は、顎を上に向けないこと!です。

顎を上に向けて食べさせたり飲ませると、気管に入りやすくなります。犬にとって最も苦しい状態になるため、くれぐれも注意してくださいね。

では最期に、老犬の余命が近づいてきた時に飼い主さんができることについて見ていきましょう。

老犬の余命が近づいたときにできること

老犬の余命が近づいてきたときにできることは、まず「症状があれば必ず動物病院へ相談すること」です。

体力が無い子の場合移動や診察が負担になってしまうため、まずは電話で相談するようにしてください。

ついにご飯を食べることも難しくなってしまったら、好きな食べ物を与えるのもいいですよ。獣医さんもそう進める方は多くいらっしゃいます。

優しく体を触りながらたくさん声をかけてあげたり、たくさん抱っこしてあげるのもいいでしょう。

元気だった時に散歩が好きだった子であれば、抱っこして外の空気に触れさせてあげるのもいいですよ。

飼い主さんが大好きな愛犬にとって、飼い主さんの優しい手や声は心地の良いものです。なので、たくさん触れながら声をかけてあげてください。

老犬がご飯食べない・・・余命が近い?ご飯を食べない理由と5つの工夫まとめ

  • 老犬がご飯を食べない理由は、老化に伴い新陳代謝や運動量が減るから
  • 老犬がご飯を食べないからと言って余命が近いとは限らない
  • 老犬がご飯を食べない場合、与え方に工夫をしてみる
  • 老犬が急にご飯を食べなくなったら要注意!
  • ご飯も水も飲まない場合の余命は大体1〜3日
  • 体力がない子は無理に動物病院へ連れて行かずに、まずは電話で相談する

老犬がご飯を食べなくなると「余命が近いのでは?」と心配になりますが、必ずしもそうとは限りません。

まずは他に体調が悪そうだったりいつもと違う様子はないかどうか、チェックしてあげましょう。

少しでも心配なことがあれば、迷わず動物病院へ相談するようにしてください。

長い間一緒に過ごしてきた愛犬は、もはやペットではなく「家族の一員」で我が子のように大切な存在です。

当然お別れはつらい事ですが目を背けるのではなく、最期のときまで一緒に居てあげられると愛犬も安心して天国へ行けるのではないかな、と思います。

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