【老犬が喜ぶ食べ物】おすすめの与え方や食べないときの対処法を5つ解説

  • 最近愛犬が歳なのか、食欲が無い気がする…。
  • 老犬の食欲をそそる食べ物ってなに?
  • 食材の与え方が知りたい。

老犬と暮らしていると、上記のような食の悩みが出てきますよね。

「これまでずっと同じドッグフードを与えていたけど、急に食べなくなった」なんてことは、老犬あるあるです。

犬も老化が進むと、味覚が鈍くなり食欲が落ちることは珍しくはありません。

しかし、そこで「お腹が減れば食べてくれるだろう」と放置してしまうと、老犬の場合は健康に悪影響が出てしまう可能性もあるので何かしらの対策が必要です。

ここでは、老犬がご飯を食べれるようになるためにも「喜ぶ食べ物」「おすすめの与え方」「食べないときの対処法」について解説していきます。

わかりやすく説明するので、ぜひチェックしてくださいね!

老犬が食べない5つの理由

  • 加齢に伴い食の好みが変わる
  • 運動量・代謝の問題
  • 歯が弱くなった
  • 飲み込む力の低下
  • 病気

老犬がご飯を食べないのには主に4つの理由があります。

老犬も老人と同じように、運動量や代謝が減ったり食の好みが変わったり、歯のトラブルを抱えたりするのです。

では、どの理由が愛犬に当てはまるかを考えながら、チェックしてみてくださいね!

加齢に伴い食の好みが変わる

加齢に伴い食の好みが変わる子がいます。人間でも年齢を重ねるにつれて食の好みに変化がありますよね。

昔は普通に食べられていたものでも、急に舌触りが苦手になってしまったりそもそも味が好みでなくなってしまったり…。

犬も同じく、体の変化に伴い好き嫌いが変わることがあるのです。

今までがっついて食べていたのが無くなったり、トッピングをすれば食べてくれたりする場合はこれが原因だと考えられます。

運動量・代謝の問題

老犬になると運動量や代謝が徐々に減ってきます。

そうすると、自然に摂取カロリーや食事量も変化してくるのです。

この場合は全く食べないわけではありませんし、体重の変化もみられません。

ですがお皿にご飯を残すようになったり、ちょっとずつ食べていたりするなど「食べてくれるけど、量が減った」ということがあります。

歯が弱くなった

老犬になると、歯周病などの口腔内トラブルで歯が弱くなります。

実は3歳以上の犬の80%以上が歯周病もしくは歯周病予備軍と言われているほど多い病気です。

愛犬の歯周病に気付かず対策をしていなければ、もちろん悪化していく一方。

そして、歯がぐらついたり痛くなることにより、ご飯が食べにくくなってしまうのです。

口臭がキツくなったり歯肉が赤くなっている、歯がグラグラしているなどの症状がある場合は歯周病が疑われますので早急に動物病院へ受診しましょう。

私の愛犬の話
私は現在3匹の愛犬と暮らしています。
その中の1匹が現在12歳で、この子は私が18歳の頃にはじめて自分でお迎えした子です。
お迎えした当時は知識も浅かったため歯磨きの習慣がありませんでしたが、動物の資格を取るために勉強をはじめて歯について学ぶ頃には毎日の歯磨きを心がけていました。
もちろん今でも歯磨きは続けていますが、それでも歯石は溜まっています。
歯周病を患ってはいますがそれでもまだ、カリカリフードや硬めのデンタルガムは余裕で食べることが出来ます!
しかし、数年前に里親からお迎えした推定13~15歳の子は歯磨き習慣がなかったみたいで、歯はボロボロでほとんど抜けてしまってます。
カリカリフードは時間をかけて食べることができるくらいで、とっても食べにくそうです。
この差を見て、歯磨きの大切さがわかりました。

飲み込む力の低下

犬も年を取ると唾液の分泌量が減ったり舌が上手く動かせなくなってしまい、飲み込む力も弱くなってしまいます。

全く食べないことはないけど食べるスピードが遅くなったり、ご飯を良く喉に詰まらせている場合は飲み込む力が落ちていることが考えられます。

病気

  • 腎臓疾患
  • 心臓疾患
  • 口周りの病気

老犬になると、病気にかかる確率がグンッと上がります。

特に腎臓や心臓の疾患、口周りの病気などは老犬に多く、食欲不振の症状が現れる病気です。

病気が考えられる場合は、他にも症状が見られることがあります。

食欲不振の症状の他にも嘔吐や下痢、元気がないなどいつもと違う様子であれば迷わず動物病院へ相談するようにしましょう。

また「食欲が無いだけだから様子を見よう」という自己判断も危険です。

老犬で食欲がなくなった場合、老化に伴う症状であることも考えられますが病気の可能性も十分ありますので要注意!

とにかく、ちょっとしたことでも動物病院へ相談することをおすすめします。

老犬が喜ぶ食べ物はどんなものがあるの?

食欲のない老犬でも、喜んで食べてしまう食べ物というのは、老犬の体にとって必要な栄養が含まれている食べ物なんです。

なので、まずは老犬にとって必要な栄養を理解するのが一番有効的です。

老犬に摂ってほしい栄養は大きく分けて4つあります。

老犬に必要な栄養
タンパク質が多い肉類オメガ3を含む食品抗酸化作用を持つ食品整腸作用のある食品

老犬が喜ぶ食べ物①:お肉(動物性タンパク質)

  • 牛肉(ひき肉)
  • 豚バラ(ひき肉)
  • ジビエ肉

老犬が喜ぶ食べ物1つ目が、お肉類です。

老犬には、脂質が少なく低カロリーな牛肉や豚バラ肉、ジビエ肉などがおすすめです。

犬も老化に伴い、筋肉量が少なくなります。これを維持するためには高品質なたんぱく質が必須!

上記の食材には高品質なたんぱく質「動物性タンパク質」がしっかりと含まれているので、老犬にとっては必須な食べ物なのです。

中でも牛ひき肉は消化にも良いので、消化器官へ大きな負担をかけずに食べさせることができます。

  • 「太り気味だからカロリー少なめの食事がいい」
  • 「うちの子は食が細くて…一度でたくさんの栄養がとれるお肉がいい」
  • 「体に負担がかからない食事がいい」

このような場合は、ジビエ肉がピッタリです!とはいえ、油っぽいため大量に与えるのはNG。

美味しそうに食べてくれるのでついたくさん食べてもらいたくなりますよね。

ですが愛犬の健康のためにも、量には十分気をつけて与えるようにしましょう。

与え方

お肉類や卵は基本的に焼いたり茹でたりして火を通し、喉につまらない程度に細かくして与えるようにしてください。

お肉は茹でて与えると、胃腸に負担をかけずに与えることができます。

生食用で販売されているお肉は生で与えることもできますが、馬肉以外のお肉は賛否両論あるので飼い主さんの判断で与えてください!

(※生食用を急に与えると、下痢や嘔吐の原因になりますので与えるのであればまずは少量から与えましょう。)

また、卵を生で与える場合は白身を取り除き「黄身のみ」を与えるようにしてください。

(※生の白身は大量摂取すると体に悪いので要注意です。)

そのままでもドッグフードへトッピングして与えるのもおすすめです!調理の際に出た油も少し混ぜておくと食いつき◎

老犬が喜ぶ食べ物②:魚(オメガ3脂肪酸)

  • さば
  • さんま
  • 中トロ

老犬が喜ぶ食べ物2つ目がさばやさんま、中トロなどの魚類です。

これらの魚には体の老化を抑え認知症予防に繋がったり、ガンを遠ざける効果など健康を保つためには欠かせない栄養素です。

オメガ3脂肪酸とは?
オメガ3脂肪酸には、視力、脳、血管、心臓などの健康をまもる働きがあります。血液サラサラの効果をはじめ、ガンや老化、生活習慣病などの予防にも繋がるので、老犬には積極的に与えたい栄養素です。

実はオメガ3脂肪酸は食事から摂ることが難しいと言われている栄養素なのですが、たくさんの食物の中でも魚には豊富に含まれているのです。

他にも「亜麻仁油」や「サプリメント」などからも補うことができます。

老犬への与え方:さば・サンマ・中トロなど

魚の骨は消化不良を起こす可能性もあるので、小骨までしっかり取り除き火を通しましょう。

生でもOKですが、ヒスタミン中毒や寄生虫のリスクを考えると熱を通しておいたほうが安心です。

(※生魚にはヒスタミンという物質が含まれています。中毒を起こすと下痢や嘔吐など消化器症状が現れます。)

塩サバや干物など味付けがされているものは、塩分過多になる可能性があるので与えないようにしてください。

また、購入してから2~3日経ったものは避けて、新鮮なものを与えるようにしましょう。

そのまま、もしくはドッグフードにトッピングして与えるのもおすすめです!

調理の際に出た魚の油にはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれていますので、少量を一緒に与えるのもいいですよ。

老犬が喜ぶ食べ物③:野菜・果物(抗酸化食品)

  • かぼちゃ
  • にんじん
  • バナナ
  • りんご
  • いちご

老犬が喜ぶ食べ物3つ目が、野菜や果物です。

とくに上記のような野菜や果物は甘みがあるので、犬の嗜好性も高く大喜び間違いなし!

抗酸化食品は、犬のガンや老化・免疫機能の低下などを引き起こす「活性酸素」の働きを抑える効果があります。

抗酸化作用を持つビタミンの中でも「ビタミンA」「ビタミンC」「ビタミンE」は、かぼちゃやにんじん、ばななやりんご、いちごなどの野菜・果物にたくさん含まれているのです。

老犬への与え方:野菜・果物(抗酸化食品)

かぼちゃは火を通して与えましょう。

人参は生でも食べられますが、老犬の食べやすさを考慮すると火を通して柔らかくして与えるほうが良いでしょう。

喉につまらない大きさに必ずカットしてあげましょう。

りんごは特に誤飲事故が多い果物なので特に気を付けてあげてくださいね。

かぼちゃや人参はドッグフードのトッピングに、バナナやりんご、いちごなどの果物はそのまま与えるのがおすすめです!

老犬が喜ぶ食べ物④:整腸作用のある食品(便秘予防)

  • ヨーグルト
  • ナチュラルチーズ
  • 納豆
  • 味噌
  • りんご
  • バナナ
  • さつまいも
  • 大豆

老犬が喜ぶ食べ物4つ目が、整腸作用のある食品です。

犬の腸内環境は、健康に大きく関係しています。

腸内環境を整えることによって腸内トラブルを予防できるだけではなく、免疫力UPの効果も期待できるので積極的に与えたい食事です。

与え方

ヨーグルトやナチュラルチーズ、納豆、さつまいも、大豆などはドッグフードにトッピングをするのもいいでしょう。

りんごやバナナは、丸呑みをしても喉につまらないような大きさにカットして与えてください。(犬の大きさによりますが、小型犬の老犬だと3~5cm角くらいがちょうどいいです。)

味噌を与える場合は、ごく薄めたお味噌汁にするのがおすすめです!

老犬が喜ぶ食べ物でご飯を作る場合の注意点は4つ!

上記の食べ物でご飯をあげる場合に注意したい点が3つあります。

  1. 突然手作り食にしない
  2. トッピングで与えるようにする
  3. 反応がうすいときは「油」をプラス
  4. 持病がある場合は獣医師へ相談!アレルギーにも要注意

この4つを知らずに人間食を与えると、リスクがありますので必ずチェックしてください!

突然手作り食にしない

今まで食べたことのない人間食に突然切り替えてしまうと、下痢や嘔吐の原因になります。

まずはひとさじ程度を、これまで与えていたフードに混ぜて徐々に配分を増やしていきましょう。

これだけでも、食いつきがグンっと良くなる子もいますよ!

また、お肉やお魚、野菜などには生で与えてもOKなものもあります。

しかしはじめから生で与えてしまうと、お腹を壊して下痢・嘔吐の原因になるのです。

どうしても生で与えたい場合、はじめは完全に火を通して徐々に生へ近づけて与えるようにしましょう。

トッピングで与えるようにする

老犬に手作り食を与えるのであれば「50%手作り食」がおすすめです。

100%手作り食にすると、かなり難易度が高いです。

犬と人間では栄養バランスが全く違うので、私たちと同じような食事内容で与えていては栄養不足で体調不良を起こしてしまいます。

手作りごはんはこんなにも難しい!
・必須栄養素が人間よりも多い・栄養素は多すぎても少なすぎても✕。常に正しい量を調節しなければいけない・ボリュームにも気をつけて。こだわりを持てば持つほど多くなる傾向に…

犬は必須栄養素が人間よりも多くあり、アミノ酸だけでも10種類あるのです。

例えば、カルシウム不足になると筋肉の硬直・痙攣や食欲不振になることもあります。

反対に過剰摂取をしてしまうと下痢を起こしたり心臓に負担がかかってしまうので、適切な量を与えなければいけません。

1回の食事をすべて手作り食にしてしまうと、量も多くなってしまいがちです。

食が細くなっている老犬には、食べきれない量となってしまえばどれだけしっかり栄養素が含まれているご飯でも意味がありません。

50%は手作り、残りの50%は市販フードにして、手作り食をトッピングしてあげる方法で与えるのがおすすめです!

反応がうすいときは「油」をプラス

手作り食でも、どうしても反応が薄い子もいます。その場合は、いつもの食事に「油」をプラスしてみましょう。

老犬には「オメガ3」栄養素を積極的に与えたいので、以下のような油がおすすめです!

油の種類詳細
えごま油えごま油は、この3つの中でも一番オメガ3が多く含まれています。
熱に弱いため、粗熱をとったごはんにトッピングしましょう。
亜麻仁油亜麻仁油は3つの中でも2番目にオメガ3が多く含まれています。
えごま油同様、熱に弱いので冷ましたご飯にトッピングして下さい。
サチャインチオイルサチャインチオイルは3つの中でも3番目にオメガ3が含まれています。
加熱に強く、えごまと亜麻仁よりもビタミンEが2倍近く豊富に含まれているので、ガンなどの病気を遠ざける力が強いです。

それぞれの油の与える量は、1日1回体重1kgにつき2gほどからはじめて下さい。

お肉をたくさん食べる子はオメガ3が多く必要なので、主食がお肉のドッグフードやお肉の割合が多い手作り食を与えている老犬の場合は体重1kgにつき3gほどを与えるといいですよ。

(※あくまで目安です。)

持病がある場合は獣医師へ相談!アレルギーにも要注意

老犬で持病がある子に手作り食を与えたい場合は、まず獣医師へ相談してください。また、アレルギーも要注意です!

こんな持病があればとくに注意!
・食物アレルギー・アトピー性皮膚炎・肝臓病・糖尿病・尿路結石・甲状腺疾患

例えば、老犬に多い「肝臓病」では、たんぱく質や炭水化物を控えめにした食事を与える必要があります。

反対に、レバーや鶏肉、カブや人参などは肝臓ケアにおすすめの食材です。

病気によって、必要な栄養素・与えてはいけない栄養素があるので、必ず獣医師へ確認してください。

また、食物アレルギーのある子は、アレルゲンになる食材は避けて下さい。

与えてもいいかどうか迷った場合は、必ず獣医師へ相談しましょう。

そして、アレルギーを発症しても軽症で済ませるために、念のためはじめて与える食材は少量から与えるようにして下さい。

それでも老犬がご飯を食べないときの対処法は5つ!

上記を試してみても老犬がご飯を食べない、ということも実際にありますのでその時には以下を試してみてください。

  1. まずは、ドッグフードを温めてみる
  2. 半生ドッグフード/ウェットフードに変更する
  3. とにかく食べてもらうように大好物をトッピング
  4. 水分補給は確実に
  5. 手作り食に変更

詳しく説明しますので、見ていきましょう!

まずは、ドッグフードを温めてみる

まずは、ドッグフードを電子レンジで温めて与えてみましょう。

急に人間の食べ物を与えるのではなく、まずは栄養バランスの整っているドッグフードを食べてもらうよう工夫をしてください。

ドッグフードは温めると香りが強くなるので、食べてくれる子もいます。

半生ドッグフード/ウェットフードに変更する

犬は歳を取ると、歯が弱くなり硬いものが食べづらくなることがあります。

食欲はありそうだけど、食べづらそうにしている場合は半生かウェットフードに変更してみて下さい。

半生やウェットフードは嗜好性が高く、食欲を誘う効果もあり一石二鳥です!

とにかく食べてもらうように大好物をトッピング

老犬がなかなかフードを食べてくれない、けど「愛犬の好物がなにか分からない…」という場合は、甘い食べ物がおすすめです。

犬は甘みを感じやすいと言われていています。老犬が喜ぶ食べ物で紹介した、さつまいもやりんご、バナナなどは喜んで食べてくれる可能性が高いのでトッピングにおすすめです。

水分補給は確実に

老犬が1日に飲むべき水分量の目安は、体重1kgにつき50~60mlです。

例えば、体重が4kgの子であれば1日200~240mlの水分が必要になります。

水を飲む量が減ると脱水を起こしますが、老犬の場合脱水状態になっても飲もうとしない子も珍しくはありません。

犬の脱水症状
・食欲が落ちる・皮膚に弾力がなくなる・嘔吐や下痢を起こす・呼吸が荒い/苦しそう・おしっこが濃い/量が少ない

皮膚をつまんで、もとに戻るまで2秒以上かかる場合は強い脱水が起きていると考えられるので、早急に動物病院へ連絡してください。

その他にも食欲が落ちたり、嘔吐・下痢、おしっこが濃い・少ない、呼吸が荒い・苦しそうなどの症状が見られれば迷わず動物病院へ行きましょう。

老犬の水分補給は飼い主さんがしっかりと、管理してあげる必要があります。

手作り食に変更

老犬が「何をしてもご飯を食べてくれない、でも人間の食べ物は食べる」という場合は、手作り食に変更するのも一つの手段です。

本来は急に移行しないほうがいいですが、食べないよりはましです。

これまでフードを温めたり、変更したり、トッピングもしてみたのに、何をしても食べてくれない場合は、最終手段としてすべて手作り食に切り替えてみましょう。

その際には栄養のことはもちろん、犬に与えてはいけない食材や体に良い食べ物についてはしっかりと勉強しておきましょう。

この記事のさいごに・・・

パートナーにはいつまでも元気にいてほしいものです。老犬がご飯を食べなくなると「どこか悪いのでは?」と心配になりますよね。

この記事を読んでくださっている人の中には、愛犬とのお別れが迫っているのではないかと心配している人もいると思います。

もし、そんな状況であればぜひ参考にしてください。